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日本のスポーツ現場で起こっている栄養関連の問題

11月17日夜に板橋区医師会「健康スポーツ医学研修会」
に参加しました。

「日本のスポーツ現場で起こっている栄養関連の問題」
順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科 准教授 鈴木良雄先生

栄養とアスレティックパフォーマンス 日本臨床栄養協会 をテキストとして話されました。

エネルギーを通常のベースラインの必要量以上に必要とさせる要因には、寒暖、不安、ストレス、高地、いくつかの身体的損傷、特定の薬物または医薬品、徐脂肪体重の増加、月経周期の黄体期などがある。
また、エネルギー必要量は、トレーニングの減少、老化、徐脂肪体重の減少、そしておそらく月経周期の卵胞期において低下する。

スポーツにおける相対的エネルギー欠乏は、運動による消費分を除いたエネルギー摂取量が最適な身体機能の必要量に満たない男女アスリートにおいて観察される生理学的な合併症のすべてを包括したものであるとしている。

その潜在的なパフォーマンスへの影響には、
持久力低下、怪我のリスクの増加、トレーニング効果の低下、判断力の低下、コーディネーション能力の低下、集中力低下、イライラする、鬱病、グリコーゲン貯蔵の減少、筋力低下などが挙げられる。

運動前の炭水化物摂取は、必ずしも常に良いというわけではない。
インスリン応答が代謝におよぼす影響により、脂肪の動員と利用が減少し、同時に炭水化物の利用が増加するからである。
これにより疲労感を早めに感じるアスリートもいる。

長期トレーニングの研究では、筋力と筋肉量の増加は運動後即時にたんぱく質を摂取することによって最大になることが示唆されている。
新たなガイドラインでは0.3g/kg BWを目標に、鍵となる運動後に3-5時間ごとに複数の食事により摂取することによって筋のトレーニングへの適応が最大化することが強調されている。

脂質によってパフォーマンスを向上させることはできない

貧血の有無に関わらず鉄欠乏は筋の機能を損ない、
運動能力を制限し、トレーニングへの適応や競技パフォーマンスを低下させてしまう。

鉄欠乏は、ヘム含有食品からの鉄摂取の不足や、エネルギー摂取不足の結果としてたびたび起こる(6mgの鉄は約1000kcalの食事で摂取される)。
成長期、高地トレーニング、月経による出血、溶血性貧血、輸血や外傷は鉄の栄養状態にマイナスに作用する。
高強度トレーニングをしているアスリートは、汗、尿、便、血管内の溶血による鉄の喪失が増加する可能性がある。

貧血⇒鉄栄養状態改善⇒運動時の心拍数低下
  ⇒持久能力低下、運動時の心拍数増加、運動時の乳酸増加

貧血(Hb<12g/dl)でなくても、Feの栄養状態が改善すると最大酸素摂取量が改善する。

激しい運動直後の鉄サプリメントの摂取は禁忌とされている。
鉄吸収に干渉するペプシジン濃度を上昇させる可能性があるからである。
鉄欠乏性貧血からの回復には3から6ヶ月を必要とする。それゆえ、鉄欠乏性貧血が生じる前に栄養介入を始める方が良い。
アスリートが日常的に自分自身で鉄の補給をすることは推奨されないし、鉄枯渇の臨床的エビデンスがなければエルゴジェニックな効果は考えられず、しかも胃腸障害の原因となりかねない。

暑熱下では、体重の2%を超える水分喪失は認知機能や有酸素性パフォーマンスを低下させる。
アスリートが運動前に正常な水分状態を達成するには、運動の2-4時間前に5-10ml/kg BWに相当する水分量を摂取し、薄黄色で白色の尿が出るくらい、充分に時間をかけ余剰な水分を排出するのがよい。

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足立区にある柳原病院のDr 福島智恵美 のブログです。

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