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高齢社会における自己決定権

4月24日水曜夜、東大の上廣死生学・応用倫理講座主催の学習会に参加しました。
高齢社会における自己決定権について、
京都大学名誉教授の加藤尚武先生のお話でした。

今、医療の世界では、事前指示として、自分がこうなったら、こうする、という指示を出す。

そのときに自分の意向が変わらない、
同じであるという前提で動いているが、

事前指示を出したときと意向は異なるのではないか、
そのときの気持ちを汲んで決める必要があるのではないか
という問題提起がなされました。

生命科学全体がDNA前成説(受精時に決まっている)からepigeneticsへ変わってきている。

「人間の本性は、われわれの種に共通する精神面の発達にかんする遺伝的規則性の数々と言える。それは後成規則であり、遠い先史時代に長期にわたって起きた遺伝的進化と文化的進化の相互作用によって進化を遂げたものである」 E.O.ウイルソン

遺伝子が、「いつ」「どこで」発現し、「どのように」修飾を受け、それらの産物が「どの」構造的またダイナミックな関係に組み込まれるのかが問題。何を使って、何を使わないかが決まると素質が決まる。

キュア;生物体を最適にする
ケア;患者の人生観、心の底で大事にしているものを私も大事にします、人生の機微に触れるようなものを大切にする


本人がこうしてください、と決定したときと
それを実行するときに
時間が流れており、本人は変質している。
以前のままとしてはよくないのではないか。
人格変化を測定することはできない。

他人が気持ちを汲んであげることが、決定のよりどころになる。

年齢を重ねても新しい出来事が起き、以前と同じではないこともある。
違ってくると決められないのは普通のこと。

気持ちを汲む親密圏のひととして、ふさわしくない人はいる。
他人の気持ちが理解できなかったり、利他的行動をとることができないひとなど。

またトラウマについても、そのことがずっと影響してしまう可能性について話されました。

最後の質疑応答でもいろんな意見が出され、親密圏の話し合いに、に近い意見もありました。

意思決定支援は非常に大切なことですが、
事前指示を尊重し、
また、その時々で気持ちが変わりうることをふまえて
アプローチをとる必要性があり、

そのひとの生き方、生きてきたものがたりを大切にして
関わっていきたいと思います。
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柳原病院Dr 福島智恵美

Author:柳原病院Dr 福島智恵美


足立区にある柳原病院のDr 福島智恵美 のブログです。

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