患者の意向を尊重した意思決定のための研修会⑤

参加者の感想です。

病棟看護師 園田氏より>
<研修会に参加しての学び>

 これまで多くのお看取りを経験し、後悔が残るケースの多くは最終段階となっていることは分かっていても早期からの緩和ケアに介入することができなかったり、問題点に気付けていなかったことです。また、意思決定の確認のタイミングが分からず、曖昧かつ不足していました。
 今回の研修の大きな学びは、今までは十分なアドバンス・ケア・プランニングに取り組めていなかったことに改めて気付いたことです。アドバンス・ケア・プランニングの重要性と意思決定の確認における声掛けや対応を学び、今後は患者・家族・医療者があらかじめ話し合う時間が持てるように心掛けたい。そして、多くの患者や家族が後悔せず最期までその人らしい生を全うできるように支えていきたい

病棟看護師 H氏より>
 ロールプレイで、あとどれぐらい生きたいか、患者さんに自分自身の予後を聞いて、医師の考えている予後との距離感を話し合う中で埋めていく形をとっているという話を聞いて、そういった方法もあるんだ、と思った。
 みんなで話し合うことが大切なのだと改めて思った。

医療相談室 名田部氏より>
 人生の最終段階における医療の決定プロセスには、患者と医療チーム側(多職種)での十分な対話の繰り返しが大事であること。チーム側は絶対に一人では決めない、一度に決めようとしないなど多職種で患者にとっての最善を都度検討していくことが大事であることを学んだ。
 終末期の患者の約70%の患者は意思決定は不可能との調査報告もあり、本人と決めることが難しい場合、家族の考えが反映される決定プロセスではなく、あくまでも患者本人の推定意思を考え決定するプロセス(本人なら、このような考えをもち、こう希望をするだろうなどの考え)とならなければいけないと改めて教えてもらい、正直これまでの関わり方を考えさせられた・・。
 今後も臨床上で意思決定支援場面はたくさんあると思う。学んだことをできそうなことから実行していきたい

患者の意向を尊重した意思決定のための研修会④

               ・・・つづきです。

基本的な倫理原則
自律尊重原則;相手に干渉しない、医療のすすめ方、プロセス、
与益&無危害;利益を最大にし害を最少にする、医療の目的、目標設定、何を目標として医療を行うか、医師、患者間の二者間ではこれですすむ、
公正;病院、地域、国含め、二者間で解決できないとき(ベッド、人手、薬、資源)

ぎりぎりまで調整するために
患者や家族の思い・行動の背景を探る~表面的希望のうら
選択肢を単純な二択にしない~どのくらい豊かな選択肢を挙げられるかで意思決定の質は変わってくるはず

アドバンス・ケア・プランニング;ACP
今後の治療・療養について患者・家族と医療従事者があらかじめ話し合う自発的なプロセス
終末期においては約70%の患者で意思決定が不可能
どんな介入が求められるか
・診断について話し合う
・予後と治癒が可能かについて率直に話し合う
・治療のゴールを話し合う

ACPの効用
患者の自己コントロール感が高まる
代理決定者・医師のコミュニケーションが改善
より患者の意向が尊重されたケアが実践され、患者と家族の満足度が向上し、遺族の不安や抑うつが減少する
介入研究の結果、希望の喪失や抑うつなどの害はなかった

ACPの問題点
患者・家族に害となる可能性
患者・家族にとってもつらい体験になる可能性;全ての患者に適応は難しい、英国の研究では35%が介入を承諾
時間と手間がかかる

患者は自分の意向が尊重されることを必ずしも重要視しない
・意向は病状によって変化しうるので、自分の意向は必ずしも尊重されなくてもよい
・家族や医師が、事前意思に従うか否かを決めてもいい
・信頼する医師ならば委任してもよいと考える
・むしろACPを自分の心理的、社会的、情緒的なことを伝えておく機会として考えている
・一方で医療従事者は今後の患者の治療方針を示した絶対的なものとして扱う

たくさんのことを学び、考えた1日でした 。

患者の意向を尊重した意思決定のための研修会③

                ・・・つづきです。

臨床倫理
職種を超えて、意思・ケアチームが直面する個別具体的な倫理的課題を話し合う際の共通のルール

臨床倫理の目指すところ
患者・家族と医療・ケアチームが、ともに納得できる意思決定の実現
そうした話し合いのプロセスを支援するためのツールの開発・提供

QOLを真剣に考える
・QOL本人にとっての「生活/人生の質」
究極的には客観的な測定は困難
医療者は「生き方」の専門家ではない
・そもそも何を目標として医療を行うべきか、医療者が一方的に決めることはできない

プロセスとしてのIC:イベントではなくプロセス
医療者と患者が互いに情報を共有したうえで十分に話し合い、合意へ至るプロセスを重視
共同行為としての医療・ケア
医療者側には、病気の状態と治療法についての専門的知識がある一方、患者側には自分の人生の実情についての情報、自分はどう生きたいかの判断ないし人生設計があるこれら両者からの情報をお互いに提供しあい、現時点で如何にするかを考え、合意による決定に至るプロセスが、行為が共同であるための要となる~本人・家族も説明する 医療側に自分の人生の都合、生活のことを伝える
医療側、患者側が交互にやりとりを繰り返す、最後は患者が承認する

厚労省ガイドラインの骨子
医療・ケアチームで取り組む
患者の意思確認が大事
患者の意思が明確でない場合には、「患者が十分な情報を得たうえで、患者が何を望むか、患者にとってなにが最善かを、医療・ケアチームとの間で話し合う」

医療・ケアチームと患者・家族がよく話し合ったうえで「ともに」決める、共同意思決定

                  ・・・つづきます。

患者の意向を尊重した意思決定のための研修会②

           ・・・つづきです。

事前学習含め、研修で学んだことは
医療における合意形成にあたり、医療者が知るべき患者のこと
・どうなりたいと考えているのか?
・医療に何を期待しているか?
・最も優先してほしいことは何か?
・病気や医療が患者自身の生活に与える影響

・患者自身にとって受け入れがたいことやつらいことは何か?
・誰と相談したいか?
・誰に話してほしくないか?

各職種の視点(職種別に抱く価値)
職種により何を大切にケアをするかが異なる
共通点は「対象者の利益」を願っていること


コンセンサス形成
・コンセンサスは医療者の中におけるコンセンサスであり、実際の選択はその後の医療チームと患者側の対話によることを理解する
・「患者にとっての最善」を常に意識する
・大まかなケアの方向性と具体的な選択肢の決定を分けて議論する
・医療者間で形成されたコンセンサスの問題点を意識する

診療方針を提示するときに配慮するべきこと
当事者に意思決定能力がある場合は、最終決断は当事者のものである

共通の立場を見つけ合意を形成
1、話し合いに参加している人々が他の参加者の見解や議論を理解できるように努める
2、すべての参加者が受け入れられる提案を目指す。すべての個別見解が何かしら考慮されるという形で、すべての個別見解の偏りを超えた見解が好ましい

終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン
・医療ケアチームで;医師が1人で判断しない
・患者本人の意思が大事、それが不明なら家族に;家族等=本人意思の推定、本当にわからない場合は本人の最善の利益
・緩和ケアの充実は国の責務

最も重要なことは
医療者と患者・家族との話し合いをいかに続けるか
:合意形成できなくてもいい 話し合いをしつつ進んでいくことが大切、満足度もあがる
死に逝く者への配慮
いかにその人を尊重するか
それこそ平凡だが真実


                  つづきます・・・

患者の意向を尊重した意思決定のための研修会①

11月23日に、国立病院機構本部で開催された
患者の意向を尊重した意思決定のための研修会
H29年度厚生労働省委託事業 人生の最終段階における医療体制整備事業

に参加しました。

医師を含む多種職での参加が前提で、
柳原病院からは福島、医療相談室名田部氏、3階病棟看護師園田氏、4階病棟看護師H氏で参加してきました。

たくさんの事前課題を読み込み、2本のビデオ学習に取り組み、事前に参加者で倫理的問題のあったケースの共有を話し合って研修会に臨みました

研修会では、座学、ワークショップ、ロールプレイを含む盛りだくさんの講義で、密度の濃い1日となりました

参加した感想として、
患者さんの意向をくみとる重要性を、いつも大切に思っていますが、講義を聞く中で意向をうまく聞けていない方が思い浮かび、すぐに確認しなくては、と思うと同時に、急ぎすぎてはいけない、というメッセージも心にいれ、翌日からの診療にあたっています。

事前学習も非常にためになり、柳原病院でともに働くスタッフと話し合いを持つ中で共有できたもの、なんとなく見えてきた目指すものについても、ことばにして一部明確にすることができました。終了後は頭がもやもやしており、そのもやもやとともに進んでいくのが診療である、という主催側の医師からの発言があり、日々のもやもやを皆で共有しながら、患者さんの生き方を支援できる医療を目指していきたいと思いました

学んだこと、参加者の感想は次以降にアップします。
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足立区にある柳原病院のDr 福島智恵美 のブログです。

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