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第13回秋季生涯教育セミナー

11月5日から6日まで、大阪科学技術センターにて、
日本プライマリ・ケア連合学会の秋季生涯教育セミナーが開催されました

初日は講演choosing wiselyキャンペーンについて数人から話がありました。
学生時代から取り組んでおられ、すばらしいことだと思いました。

次の講演はSnap Diagnosis「Sp Pinな身体所見」でした。
身体所見の写真が豊富で、非常にわかりやすく、あっという間の時間でしたが学びもたくさんいただきました。
爪を含めた手をみつめる大切さを再確認しました。
自らが経験して成長していくこと、出会ったときに記録に残すようにすること、など臨床の知恵が沢山詰まった内容でした。

翌日は、ワークショップで、
「働きやすい病院の見極め方、創り方」では、
開催者以外の参加者ではただ一人の女性だったらしく、病院管理者等の方々が多く参加されていました。
豊かな医療の担い手として職員をみる、従業員満足あっての患者満足と確信する、働きやすい病院は経営戦略との現実認識をする、トップのコミットメント(院長のやる気)が非常に大切、相手のニーズに合わせて話す、etc

グループごとに話し合い、改善点などを出し合いました。
自分の置かれた状況を客観的にみるよい機会になりました

午後からは「格差社会におけるプライマリ・ケア医の役割」についてのワークショップでした。

診療場面で貧困にどう気づくか、チームでケースを共有する大切さについて話し合いました。

格差がもたらす健康への影響についても学び、
所得が少ないほど糖尿病の有病率が高く、糖尿病が重症であり、
お金がない人ほど寝たきりになっており、
貧困層ほどアルコールやニコチン、ドラッグの依存症が多いこと、
健康の多くは社会環境で決まるという社会疫学の考え方、
日本はジニ係数が上昇しており、
国民6人に1人が貧困(年収122万以下)で、
ひとり親家庭が貧しいこと、
ワーキングプアが増えており、
実質賃金指数(賃金を物価指数で割ったもの)が消費税増税で下がっていること、

国連から“日本の最低賃金は「最低生存水準をを下回っている」”と
社会権規約委員会の見解が2013年に出されていたこと、


所得の再分配で日本は子どもの貧困率が(本当なら下げたいのに!)上昇していることが話されました。

ルードルフ・ルートヴィヒ・カール・フィルヒョウ病理学者、白血病発見、1821-1902、独の話として
「医療はすべて政治であり、政治とは大規模な医療にほならない」と宣言し、
公衆衛生の改善を訴え、ベルリンに近代的な上下水道を作った話も添えられました。

たくさんのことを考え、学んだ2日間でした。
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柳原病院Dr 福島智恵美

Author:柳原病院Dr 福島智恵美


足立区にある柳原病院のDr 福島智恵美 のブログです。

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