日本在宅医学会 第20回記念大会④

今回の学会でもたくさんの方とお会いしました。

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古屋聡先生と新しく出会ったM氏

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佐藤元美先生と

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訪問診療で輸血にも力を入れておられるO先生と

たくさんのことを学んだ2日間でした。
いずれのセッションも患者さんの意向を尊重するためにどういった関わりが大切かを皆で考えていることが伝わってきました。

今年は院内で患者さんの意向を尊重した医療のための学習会を開催予定です。
昨年研修に行ったみんなで話し合いを重ねて、よりよい学習会になるよう進めていきます

日本在宅医学会 第20回記念大会③

2日目 4月30日
家族ケア
外来では約30%の患者が何らかの家族問題を有するが、直接的関与が必要な事例は5%
家族が代理人に育っていくような過程がないと代理人になれない
配偶者の死別を経験した10-20%に複雑性悲嘆、交通事故など突発的なものでは30% 困ったらここにアクセスするようにとパンフを渡しておく

地域で行う認知症予防
認知症は高卒以上で発症が低かった 影響8%
中年期においては、難聴9% 高血圧2% 肥満1%が影響
高齢期には喫煙5% うつ4% 身体活動低下3% 社会的孤立2% 糖尿病1%が影響
運動、少しハアハアする程度の運動20分以上を週3回以上行う
筋力は女性より男性の方が2倍速く低下するがピークが女性の方が低いため寝たきりが増える

高齢者の脳血管疾患予防
OS1はナトリウムが多く、本当の脱水向き
スポーツドリンクは若い人ならよいが、ナトリウムが多めで糖分が高い
アクアソリタはナトリウム入っていて、糖は少ない
身体の60%が水分で18%がタンパク質
体内水分は男性60% 女性55% 子供70% 高齢者55% 肥満者50%
経管栄養中はナトリウムと血糖チェック
就寝中にコップ1杯分水分減るため、脳血管疾患の40%は就寝中に発症
寝る前、入浴前後でコップ1杯 朝起きたらコップ1杯
4時間後の体内では、水のみでは28%、経口補水液では48%残る 経口補水液の方が、よりよい
アルコール利尿があるため、アルコールは1日20gを超えない、1週間で140gを超えない方がよい


仏教者から学ぶ~禅とマインドフルネス
過去を振り返らず、未来を憂うことなく、今、この瞬間に生きる
苦しさは識別作用のため生じる

学会最後の講義で非常に疲れてきていましたが、目を閉じて行った瞑想ではとてもリフレッシュできました

日本在宅医学会 第20回記念大会②

1日目つづき
シンポジウム;「対話」による「つながりの回復」
支援者;若い人⇔高齢者 固定化されている
そうではない関わりとして、話を聞く、思い出を共有、地域、時代、歴史を理解する
教えを受ける
相手の語りから思いや態度を察するのではない、相手の言葉そのものを理解し表現できるまで詳しく聞く
自分史はモノローグ
1対1の対話 自分の普通の体験が実はおもしろい体験であったという再定義

オープンダイアローグ
世界の精神科ベットの5つに1つが日本にある
対話性、他者性の尊重
他者とは常に理解を超えた存在である
聞くことと話すことを丁寧に分ける
・本人のいないところで本人のことを決めない
・クライアントと1対1にならない
聞いて自分が感じたことを話す

ユマニチュード
人間性を取り戻そう
ケアの目標 健康を回復する、今ある機能を保つ、生活を穏やかに支える


高齢心不全患者のマネジメントと緩和ケア
心不全入院患者における認知症合併は85歳以上で55%
フレイルやサルコペニアは心不全の予後や心血管疾患の進展と関係するため治療ターゲットになりうる
心不全の半分がフレイル、死亡率上昇する
心拍出量低下、フレイル・サルコペニア 筋肉量と心機能は平衡する
心不全のEFと同じくらい、フレイル、歩行速度、肺、貧血、腎機能、鉄欠乏、認知症が大切。
鉄はフェリチン100目標 50切っているときは内服(吸収障害指摘あるが、ある程度吸収されている)

心不全の症状緩和
呼吸困難;ニトロ、利尿剤、少量オピオイド モルヒネ 心腎症候群ではオキシコドン
疼痛;アセト、オピオイド (NSAIDSは体液貯留等あり控える)
倦怠感;良いものがない ステロイド無効
うつ;SSRI うつでは死亡、入院、救急受診増加する
心不全5生率は25% 心不全の半分は収縮力低下、半分は拡張能低下による
目標と一致したケアが大切

日本在宅医学会 第20回記念大会①

日本在宅医学会 第20回記念大会に参加してきました。
学んだことをメモで記載します。記事は①から④まであります。

1日目、4月29日
シンポジウム;意思決定支援を考える
・患者の価値観、価値の多元化、本人にとっての最善
・患者が意向を代理決定者に伝えておらず、代理決定者は患者がそれを選んだ理由がわからず尊重できない
・ACPにより患者の満足度が上がり、家族の不安、抑うつが軽減
・健康な時は代理決定者を選び、価値について話し合う
・病気になった時に、治療・ケアの目標や具体的な内容について話し合う
・地域・社会全体でどう生きるかを考え話し合う
・患者の目標の40%が医療上の目標で、40%が医療とは関係のない目標
・40%が亡くなる当日も話せる、亡くなる7日前には20%が話せない、当日は60%が話せないことを伝える

高齢者のフレイル・サルコペニアと栄養
高齢者のフレイルは「高齢期に生理的予備能が低下することでストレスに対する脆弱性が亢進し、生活機能障害、要介護状態、死亡等の転帰に陥りやすい状態」と理解され、要介護リスクの増大に加えてADL/QOLや生命予後にも大きな影響を及ぼすことが知られている。
フレイルの重要かつ中核的な要素として、骨格筋を中心に筋量や筋力の低下を特徴とするサルコペニアが注目される。
筋量は20-30代がピーク。貯筋が大切。
フレイルは体重、筋力、疲労感、歩行速度、ADLで観察
社会的、精神・心理的、身体的フレイルの3つで構成される
孤食;うつ 男性2.72倍、女性1.3倍 誰と食べるのかは大切
8000歩20分の運動、会話できるが少しきつい位の中等度の運動で生活習慣病予防
ベットレストでは自らで筋をつくる力が30%下がる
75歳以上の人には栄養問題、85歳以上では社会的支援、女性には抑うつ、認知症への支援が必要かもしれないと考える

第1回東京都認知症医療センター認知症ケア研修会

3月15日夜、梅田地域学習センターにて、上記研修会が開催されました。

東京大学名誉教授の松下正明先生による講演でした。

認知症に関わる知識の重要性、医療、介護職に期待される任務、ユマニチュードにも触れられました。
今、世界で、日本で認められるエイジズム;Ageism 高齢者偏見・差別についても説明されました。

心に残ったことは
正常加齢とアルツハイマー型認知症との区別は、老化性脳病変の量的差異による。
アルツハイマー型認知症は独立した単一の病気ではなく、加齢に伴って現れる異常状態である。

認知症の人の声や心を聴くことの大事さ、その行動などに対してなぜ?という気持ちをもつ

ユマニチュードの基本は、ケアの対象となる認知症の人に、
「あなたは私にとっても大切な存在である」というメッセージを相手が理解できる形で伝える技術である。
目をみる、触る・抱く、話しかける、立たせることが基本。

BPSD;行動心理症状は、周辺症状ではなく、むしろ認知症に対する心因反応と捉えたほうがよい
その人の個性や生活体験が表出される

Ageism 高齢であるという理由で人をステレオタイプ化し、差別することを言う

などでした。85歳以上の高齢者の混合型も合わせて9割近くがアルツハイマー型認知症であり、その病態が正常脳の老化現象からのものであり、病気ではないという考え方が、印象に残りました。
ケアを提供するにあたり、大事な視点をいただきました。
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柳原病院Dr 福島智恵美

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足立区にある柳原病院のDr 福島智恵美 のブログです。

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